ゴーストライター

最後のまとめです。ゴーストライターとは・・。

ゴーストライターとは、書籍や記事、脚本などの代作を生業とする著作家のことである(以下、ゴーストと表記)。

音楽業界

出版業界と同様に、音楽業界、特にテレビ番組の主題歌やCM音楽などでゴーストライターの存在が噂される事がある。これについては主に作詞の名義について言われる事が多いが、一部には作曲や編曲などでこの種の噂が発生する事もある。

特にテレビアニメなどでは、主役級のキャラクターの声を演じる人気女性声優が番組主題歌を 歌唱し、同時にその主題歌の作詞の担当者としてクレジットされる事が一部に見られるが、これらの中にも「声優に対する報酬確保のため、主題歌の作詞者とし て声優の名義を設定し、実際には別の作詞家がゴーストとして作詞している」などという噂が、真偽は別としても発生する事がある。この様な噂が発生する背景 には、大半の声優のアニメ出演において、そのギャラの金額決定に際して、「ランク制」 という声優業界の制度が用いられており、これによる大きな制約が存在しているため、どれほど人気絶頂にあっても金額的な上限が存在するという事情がある。 このため、出演に対してそれ以上の報酬を出す事が必要とされる場合には、主題歌の歌唱担当など以外にもこの様な「ランク制」の影響を受けない別の手段を講 じる事が求められる場合があるという、声優業界特有の要因が存在する。

放送業界

放送業界においては、主にテレビドラマ・テレビアニメの脚本家についてゴーストライターにまつわる噂が発生することがある。

たとえば、以下の様な形である。

  • 脚本家の身近に別の執筆家がいる場合にはその執筆家が実制作を担っている。
  • ベテランの脚本家が、弟子筋に当たる若手脚本家や見習いの育成の一環として、自分名義の仕事を任せて実作業を行わせる。実際に名前が出る脚本家の方では品質・内容のチェックと修正を適宜行う。
  • 番組企画をテレビ局のプレゼンに通すために脚本担当として名前を借りた著名な脚本家の名前を表に出して、実際には別の脚本家が執筆している。

実例としては、2008年のNHK大河ドラマ『篤姫』における、脚本家田渕久美子担当分の脚本について、実際には、シリーズ後半から「脚本協力」としてクレジットされた田渕の兄であるコピーライター田渕高志が、シリーズの当初から事実上のゴーストライターを務めていたのではないかという疑惑説が存在している。実際、田渕久美子を巡る民事訴訟の法廷でも田渕の元関係者が、高志が事実上のゴーストであったことを証言している。

出版業界

本人が話したことを一言一句そのまま書かせる「口述筆記」から、本人の書いた文章を読みやすく加除訂正する「編集・ リライト」もあれば、殆ど書き下ろしに近い「代筆」まで、様々なケースが見られる。執筆の実作業を担った人物に対して謝辞その他の何らかの形で名前が出る 場合もあれば、まったく出ないことも少なくない。謝礼の支払い形態もいろいろである。ゴーストが勝手に名乗りを挙げることは出版業界のモラル上のタブーとされているが、ゴースト以外の作品で成功した場合、かえってそのことを表に出して再刊されることもある。

文筆や学術研究を主業としないタレント、政治家、スポーツ選手その他著名人の名前で出版されている本のかなりの割合が、多かれ少なかれゴーストを使っていると言われる。講談社の編集者だった伊藤寿男は、自分が担当した中でゴーストライターでなかったのは桂三枝(現・六代桂文枝)と秋吉久美子だけで、ほとんどがゴーストライターだったと明かし、読者も事情を知っているのだから、古い習慣はやめて本来のライターの名義を入れるべきとしている。みずからもゴーストライターを務める吉田典史によると、「約9割のビジネス書は、ゴーストライターが書いている」という。

過去には著者の名義になっている人物が生放送などの場でつい口を滑らせてしまったことも見られ、有名なところでは松本伊代がオールナイトフジ(1984年12月29日)で“自筆エッセイ”の内容を司会者に聞かれ、「まだ読んでない」と返答してしまった事例などがある。他方で、作家業や文筆業にある者でも、高い知名度を持つ人物が、かつてゴーストをやっていたことがあったり、逆にゴーストを使っていたりする場合もあるとされる。

ゴーストライターが重宝されるのは、文章を書く訓練をしていない著名人が、何もない状態から原稿を書き上げるのは難しいこと、書いたとしても、そのままでは読みにくく読者が理解しにくい文章になりがちだからである。そのため、ゴーストライターは文章を書き慣れない人をサポートして、文章の質や量の向上に寄与しているとも言える。自身、『女性自身』誌で7年間に150本の手記をゴーストライトしたルポライターの竹中労は、その意味でゴーストライターは必要であると主張している。その一方で、後述の竹村健一の盗作疑惑や俳優の長門裕之の『洋子へ』のケースのように、時として内容が問題になった際に文責の所在が曖昧にされることがある。

レアケースではあるが、文字を書くことが困難、あるいは翻訳作業などが必要な外国出身者が本を出版する際、事実上の代筆担当者としてゴーストライターが起用される事もある(口述筆記)。この場合には著者や出版社がゴーストライターの起用を自ら明かす事もある。著者が視覚障害者の場合は口述筆記でもなければ多くのケースで代筆担当者が存在し、点字などからの変換でも広義の意味で代筆に該当する作業となることがあるが、代筆担当の名前を出さない場合にはおのずからゴーストライターと同様の事になる。

著者印税については、ケース・バイ・ケースで歩合制もあれば原稿料の買い切りの場合もある。前述の伊藤寿男が体験したケースでは、長嶋茂雄と王貞治の場合には本人が6でライターが4の印税比率だったという。

漫画の分野では、漫画原作者やシナリオライターな どが何らかの理由により表には名前を出さずにストーリーを手掛け、作品自体は漫画家のみの名義で出される、あるいはストーリー作りへの低評価が原因で中位 辺りで伸び悩む作品へのテコ入れ策として、編集部がシナリオライターを途中参加させるなどという形で、多くはストーリーの面についてゴーストライターの存 在が噂されることがある。編集部サイドや担当編集者の強い主導によって作品企画が進められるスタイルの雑誌の場合、キャラクター設定や物語の概要のみなら ず、ストーリー制作の実権をも編集部や編集者が握ってしまうこともあり、この様な場合には編集部の内部でストーリーを考案している雑誌スタッフや編集者が 実質的なストーリー担当者となる。ただし、この様な場合にも編集部・編集者が原作者や脚本担当としてクレジットされることはほとんどなく、多くはゴースト ライターと同様の実態になる。

ゴーストライター契約の有効性

ゴーストライター契約の契約書作成を依頼されたことがあるという弁護士の福井健策は、人格権である氏名表示権は放棄できないため、別人の名前で公表するという著作権法121条に抵触することになる内容の契約について、「契約書の強制力がどこまで及ぶかは疑問」との見解を示している。

北海道大学の田村善之教授も、別人を著作者とする契約は公序良俗に反するため無効との見解である。

2006年、ジョン万次郎銅像事件の控訴審判決で知的財産高等裁判所は、著作者名を他人名義にする合意は著作権法121条に触れることを根拠に無効と判断した。

著作者名詐称罪

著作権法121条では、著作者でない者の実名もしくはペンネームを著作者としたり、二次的著作物において原著作物の著作者でない者を著作者として表示して頒布することに罰則を定めており、著作者や原作者を詐称することは罪となり、1年以下の懲役刑若しくは100万円以下の罰金刑、又はこれを併科が規定されている。

この規定は、例えば、読者が著名人の著書と期待して書籍を購入したが実際には別人の著作であった場合などの社会的法益の保護を目的としており、親告罪とはされていない。つまり真の著作者が別人の氏名表示に同意していて著作者人格権の氏名表示権が侵害を主張しなくても、著作権の保護規定とは関係なく適用されうるため、代作やゴーストライターもこの規定に抵触する恐れがある。

ゴーストライターのいろいろ

  • 赤塚不二夫 - 漫画以外のエッセイなどの活字の仕事はほぼ全てが長谷邦夫や高平哲郎や奥成達などのブレーンによる代筆。
  • 池島信平 - 菊池寛の『日本武将譚』などの代作をした。
  • 伊藤整 - 川端康成の『文章読本』の代作をした。
  • 岩瀬順三
  • 大黒摩季 - 作詞クレジットが後に「作詞:ビーイングスタッフ・大黒摩季」となっていた。詳しくは大黒摩季#ビーイングスタッフ表記問題を参照。
  • 海江田万里 - 野末陳平の著書の代作をしていた。
  • 梶山季之 - 川端康成の新聞小説『東京の人』の代作をした[要出典]
  • 川端康成 - 菊池寛『不壊の白珠』の代作をした
  • 木村和久 - 学生時代にビートきよしの代作。
  • 小島政二郎 - 徳田秋声の童話のほか、『赤い鳥』で主催の鈴木三重吉ほか、多くの童話を代作した。
  • 堺屋太一 - 趣味が高じてプロレス本『プロレス式 最強の経営 「好き」と「気迫」が組織を変える』を執筆したが、自分の名義ではなく『週刊プロレス』編集長のターザン山本を著者として立てて出版し、印税も受け取らなかった。
  • 佐藤碧子 - 菊池寛の『新道』などの代作をした。
  • 重松清 - 複数の名義でゴーストライターを行い、ゴーストの帝王と呼ばれていた
  • 清水義範 - 下積みの頃にアルバイトでアン・ルイスなどのゴーストライターを行う。
  • 瀬沼茂樹 - 川端康成の『小説の研究』の代作をした。
  • 竹村健一 - 1982年に著書の盗作が指摘された際、ゴーストライターが書いたもので自分の責任ではないとした。
  • 津田信 - 小野田寛郎の手記のゴーストだったことを明かし、『週刊ポスト』で小野田を幻想の英雄だとする告発手記を発表して話題になった。
  • 中里恒子 - 川端康成の『乙女の港』『花日記』を代作した
  • 長門裕之 - 『洋子へ』が暴露本として騒がれると、ゴーストライターが書いたもので、原稿チェックもできずに勝手に暴露本にされたと説明した。
  • 半藤一利 - 『日本のいちばん長い日』は当初大宅壮一の名義で発表された。ただし文春スタッフの共同作業ともみられる。
  • 村島健一 - 堀江謙一『太平洋ひとりぼっち』のゴーストライターを担当。
  • 横溝正史 - 江戸川乱歩の『あ・てる・てえる・ふいるむ』など3作品の代作をした
  • 横光利一 - 菊池寛『受難華』の代作をしたことがある
  • 龍胆寺雄 - 川端康成の「空の片仮名」が代作だと指摘した。
  • 篠原善太郎 - 池田大作の『人間革命』を実際に書いている
  • 志茂田景樹 - 創価学会で、『人間革命』の代作者に選ばれたが、実際に書いたかどうかは不明(『折伏鬼』)。
  • 西海里紗 - コラムニスト、ライター
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